会社設立の手続きと流れ
インボイス制度のスタートにともない個人事業主から法人成りを検討されている方が増えております。一般的には売上が1,000万円を超えたり、事業利益が500万円を越えたり、新しい事業を立ち上げるタイミングで法人化を検討されるケースが多いようです。
法人にも種類があったり、定款や認証、登記、税務手続き、社会保険手続きなど、さまざまな手続きが必要となりますので漏れや間違いが無いよう、十分に確認することが重要です。
主に下記のような手続きが必要となります。
- 会社の形態、商号を決める
- 定款に記載が必要となる事項を決める
- 法人用の印鑑(代表者印、会社印)を作成する
- 定款の認証を受ける(株式会社のみ)
- 出資金を代表者の個人の口座に入金しする
- 登記に必要な書類を作成、法務局へ申請
- 会社成立後の諸手続きを行う
商号について
- 使える文字
- ひらがな、カタカナ、漢字
- アルファベット、アラビア数字
- 記号は「&」「’」「,」「-」「.」「・」のみ
- 会社の種類を先頭か末尾に入れる
- ○○○○株式発行
- 合同会社△△△△
- 同一住所で同一商号は使用できません
- 同じビルに同じ名前の会社は認めれれません。
- 以前は、同一の市町村内で、同一の営業目的での類似商号は認められませんでしたが、現在は可能です。ただし、営業妨害などの誤解を生む恐れがあるので、おすすめはしません。
- 使用できない名称があります
- 「銀行」、「生命保険」、「信用金庫」など法律でその事業をしているものにしか認めれれない名称
- 公序良俗に反する商号は使用できません
株式会社と合同会社の違い
主な要件など
株式会社 | 合同会社 | |
所有者 | 株主 | 社員 |
代表者 | 代表取締役 | 各社員(代表社員を定めることも可能) |
定款 | 認証が必要 | 認証が不要 |
登録免許税 | 資本金の0.7%、最低15万円 | 資本金の0.7%、最低6万円 |
決算公告 | 必要 | 不要 |
取締役会の設置 | 必要 | 不要 |
役員の任期 | 2年~10年 | なし |
監査役 | 1人以上 | 不要 |
信用度 | 高い | まだ低い |
税制 | – | 株式会社と同一(普通法人) |
経営の自由度 | 低い | 高い |
初期費用(登録免許税、定款認証) | – | 低い |
上場 | 可能 | 出来ない |
定款を作成する
定款とは法人の目的・組織・活動・構成員・業務執行などについての基本規約・基本規則を定義したものです。
株式会社の定款にすべき項目
- 絶対的記載事項
- 事業目的
- 商号
- 本店の所在地
- 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
- 発起人の氏名または名称及び住所
- 発行可能株式総数
- 相対的記載事項
- 変態設立事項
- 株式の譲渡を制限する規定
- 取得請求権株式に関する定め
- 取得条項付株式に関する定め
- 単元株式数の設定
- 株券発行の定め
- 株主総会の招集期間の短縮
- 取締役会の招集期間の短縮
- 株主総会の決議の方法
- 株主総会、取締役以外の機関の設置
- 取締役、監査役の任期の伸長
- 役員の責任の免除に関する定め
- 責任限定契約に関する定め
- 公告の方法
- など
- 任意的記載事項
- 基準日
- 会社役員の員数
- 事業年度
- 定時株主総会の召集時期
- など
合同会社の定款にすべき項目
- 絶対的記載事項
- 事業目的
- 商号
- 本店の所在地
- 社員の氏名または名称および住所
- 社員の全部が有限責任社員であること
- 社員の出資の目的およびその価額または評価の標準
- 相対的記載事項
- 持分の譲渡に関する定め
- 業務の執行に関する定め
- 支配人の選任及び解任に関する定め
- 業務執行社員と合同会社との関係に関する定め
- 社員の退社の事由
- 相続、合併の場合の持分の承継
- 損益分配の割合
- 合同会社の存続期間
- 解散の事由
- 残余財産の分配の割合
- 公告の方法
- など
- 任意的記載事項
- 事業年度
- 社員総会を置く旨の定め
- など
登記手続き
登記申請書、登記すべき事項、定款、印鑑届書など必要書類を作成し、管轄の法務局へ提出します。
株式会社で必要となる書類
- 登記申請書
- 登録免許税納付用台紙
- 定款
- 資本金の払込証明書
- 代表取締役、取締役、監査役の就任承諾書
- 代表取締役の印鑑証明書
- 取締役、監査役の本人確認証明書
- 払込みを証する書面
- 印鑑届書
合同会社で必要となる書類
- 会社設立登記申請書
- 登記用紙と同一の用紙
- 定款
- 代表社員の就任承諾書
- 社員の印鑑証明書
- 払込みを証する書面
- 印鑑届書
会社設立後の手続き
- 金融機関
- 法人の銀行口座開設
- 年金事務所
- 健康保険・厚生年金保険新規適用届
- 被保険者資格取得届
- 被扶養者(異動)届
- 税務署
- 法人設立届出書
- 青色申告の承認申請書
- 給与支払事務所等の開設届出書
- 源泉所得税の納付の特例に関する申請書
- 都道府県税事務所
- 法人設立届出書
- 設立後の定款変更
- など
注意点
- 事業が小規模な場合、合同会社のほうがメリットがあります。その後、ある程度の規模になったタイミングで株式会社とすることもできます。
- 定款の事業目的以外の事業を行うことができませんので、現在および今後の事業活動をよく検討して事業の目的を決める必要があります。
当事務所で対応した場合
会社設立の手順
当事務所へお問合せ
内容を簡単に確認させていただき、今後の進め方を調整し、見積をご提示致します。
会社の形態や称号など必要となる事項を確認させていただきます。
定款の作成と確認
当事務所より定款案をご提示致します。この時点で法人の印鑑(代表者印、会社印)を作成することをおすすめします。
各内容の説明と過不足確認を行います。
公証人との調整(株式会社のみ)
公証人と今後の進め方を当事務所で調整致します。
公証役場での定款認証(株式会社のみ)
立ち会っていただき、公証役場で定款を認証します。
定款認証手続きも代理委託して頂ければ立会も不要です。
出資金を入金する
代表者の個人口座へ、出資金を入金します。
法務局で登記手続き
所定の書面を提出するだけなので、ご本人が申請することもできます。
司法書士などに登記手続きを委任することもできます。
報酬お支払い
全てが終わったタイミングで報酬をお払い頂きます。
その後のお手続き
税務署、市町村役場などへの各種届出をする必要があります。
税理士、社会保険労務士などに所定の手続きを委任することもできます。
不明点があれば、お気軽にお問い合わせください。
参考
株式会社とは Wikipaedia抜粋
株式会社(かぶしきがいしゃ)は、法人格を有する会社形態の一つであり、社会貢献と営利を目的とする社団法人である。株式会社では、細分化された社員権(株式)を有する株主から有限責任の下に資金を調達して株主から委任を受けた経営者が事業を行い、利益を株主に配当する。
法人格
会社は、自然人と同様、それ自体が権利、義務の主体となることができる権利能力を有している。すなわち、会社はその構成員とは区別された法人格 (legal entity) を有する。これにより、会社は自己の名において事業を行い、財産を取得、処分し、契約を締結し、借入れを行うことができる。そして、経営者や株主に対して債権を有する債権者も、別人格である会社の財産に対しては債権を行使することができない。
出資者の有限責任
会社に対する債権者(会社債権者)は、会社の財産に対してのみ債権を行使することができ、株主(出資者)の財産に対して債権を行使することはできない。これを株主(出資者)の有限責任という。すなわち、株主の責任は、引き受けた株式について出資の履行を行ったことで果たされており、会社の債務について会社債権者に対して責任を負わない。法人格が、会社の財産を株主の債権者から守るものであるのに対し、有限責任は、株主の財産を会社の債権者から守るものであるといえる。
これは、出資をしようとする者にとってのリスクを限定することによって、多数の出資者から広く出資を集めることを可能にするためのものである。また、有限責任によって出資者と会社債権者との間のリスクの分配が明確になるため、出資持分(株式)の譲渡が容易になり、会社債権者との取引も容易になる。有限責任を認めることによって、会社がある事業を行うために子会社を設立して、事業失敗による損失のリスクを限定することも可能である。
かつては、出資者は会社の債務について無限責任を負うこととされていたが、今日では有限責任は普遍的な制度となっている。もっとも、日本の合名会社、合資会社においては、全部または一部の社員が会社の債務について無限責任を負う。
有限責任の下では、会社債権者にとっては会社の財産だけが責任財産となることから、会社債権者の保護も会社法の課題となる。
株式の自由譲渡性
株主が、その有する株式(出資持分)を自由に譲渡することができることを、株式の自由譲渡性という。
これは、株主がいつでも株式を譲渡して会社関係から離脱することができるようにすることによって、相互に信頼関係のない多数の者から広く資本を集めることができるようにする仕組みである。株式会社では、責任財産を会社に確保するために、出資の払戻しをすることが原則として認められていないため、株主にとっては株式の譲渡は投下資本回収のための重要な手段である。
もっとも、多くの中小企業のように人的関係が重要な意味をもつ会社では、自由譲渡性を認めると人的関係を維持することが難しくなることから、各国の会社法は、一定の会社について株式の譲渡を制限することを認めている。株式の譲渡を制限する会社については、日本の譲渡制限株式のように一般的な会社法の中の特則として設けられている場合もあれば、かつての日本やヨーロッパ大陸諸国のように閉鎖会社に関する独立の制定法による会社形態(有限会社)が設けられている場合もある。
所有と経営の分離
会社において、株主は直接経営を行わず、経営者(取締役会など)に経営権を集中することを、所有と経営の分離といい、これは多数の株主を有する大企業では普遍的に見られる特質である。
このような傾向は、歴史的に会社が大規模化し、多くの株主から資金を集めなければならなくなった結果、株主が直接経営を行うことが難しくなり、専門的経営者に経営が委ねられるようになったことによる。アメリカでは20世紀初めころから所有と経営の分離が進んだ。また、所有と経営を分離することにより、会社と取引をしようとする第三者にとっては、誰が権限を有するかが分かりやすいという利点もある。
各国とも、株主による投票で取締役が選ばれ、その取締役で構成される取締役会 (board of directors) が、経営上の意思決定及び業務執行の監督を行うというのが典型的な制度である。一方、日々の業務執行は、日本では代表取締役、アメリカでは執行役員 (officer) が行うのが通常である。
株主による所有
(1)株主が、会社を最終的にコントロールする権限(取締役を選任し、会社の運営上重要な事項を承認する権限)を有すること、(2)会社の純利益は株主に帰属することを指して、株主が会社を所有するという。この意味で、会社は、組合、匿名組合、信託などと同様、出資者が所有する共同事業形態であるといえる。もちろん、会社の純利益が株主に帰属する反面、会社に損失が出た場合も、株主は(配当を受け取れない、あるいは株価の下落という形で)そのリスクを負担する。
なお、上記のような法学的な説明とはやや異なる意味で、会社の目的は、株主の利益を最大化することにあるという立場(株主主権論)から「会社は株主のものである」という主張がされることがある。これに対しては、「会社はコア従業員(長期的に会社に関わる従業員)のものである」という従業員主権論や、「会社はステークホルダー(株主、従業員、顧客、取引先、地域社会といった利害関係者すべて)のものである」という主張もされている。このような会社は誰のものかという議論は、経営やコーポレート・ガバナンス(企業統治。後述)の重点をどこに置くかについての議論であるといえる。また、ステークホルダー型コーポレート・ガバナンスと関連して、会社は地域の利益や雇用、環境を守る責任があるという企業の社会的責任(CSR) も主張されている。
ただし、例えば株主主権論の立場に立つとしても、従業員等のステークホルダーに正当な対価を支払わなければ株主の利益を生み出すことができないというように、「会社は誰のものか」という議論を、専らある者の利益のために会社を経営すべきであるという主張として理解することには実益があると指摘されている。
「株式会社」『ウィキペディア フリー百科事典日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
最終更新日時:2022年9月22日 00:54(日本時間)
アクセス日時:2022年9月25日 13:48(日本時間)
合同会社とは Wikipaedia抜粋
合同会社(ごうどうがいしゃ)は、日本における会社形態の1つである。アメリカ合衆国各州の州法で認められるLLC (Limited Liability Company) をモデルとして導入されたので、日本版LLCとも呼ばれる。
法人名を英文表記する場合に「…… LLC」として使用が可能で、定款に英文社名を記載する際にも使用できる。LLC以外では、西友や旧EMGマーケティングのように、GK.やG.K.を用いる法人もある。
概要
合同会社のすべての社員は、株式会社の株主と同様に、会社の債務について有限責任である(会社法576条4項参照)。このことは、合名会社の全社員および合資会社の無限責任社員が会社の債務について無限責任を負うこと(同条2項、3項参照)と対照的である。
出資と経営が株主と取締役に分離し意思決定機関が事項によって異なる株式会社に対し、合同会社をはじめとする持分会社は出資と経営が一体である。そのため、内部関係・意思決定手続の設計が簡易で、合同会社は社員全てが有限責任であることから、新規設立が認められなくなった有限会社に代わり小規模事業の法人化に利用されることが多い。また、外国企業の日本法人設立に用いられたり、証券化の際の受け皿としても利用されたりする。
会社法の施行によって最低資本金制度が撤廃され、株式会社形態で事業を法人化する障壁も下がったが、法人登記費用など設立費用は合同会社が有利である。
「合同会社」という名称は、会社法制定に関する法制審議会の議事録によれば特段に積極的な意味はなく、単に従来からある合名会社・合資会社に「合」の字を揃える意図から選ばれたに過ぎず、社員(=出資者)1名のみでも設立可能である。
「合同会社」『ウィキペディア フリー百科事典日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
最終更新日時:2022年7月20日 13:23(日本時間)
アクセス日時:2022年9月25日 13:48(日本時間)